GRAND CHACONNE
新曲依頼OKの返事を頂いた時の手紙
藤掛先生への新曲依頼は、上の回生と、その上の回生もTRYして、断られていました。神戸大学マンドリンクラブとしては3年目での悲願達成というところです。新曲を書いて下さるとの返事をいただいたのは、 (神戸大学マンドリンクラブOB・OGのHPに投稿した文章より−1999年成瀬賢次記) 注・・・「木馬」は1980年6月29日/ジョイントコンサート/アンコール曲。「セレナーデNo.2」は1980年12月16日/第25回定期演奏会/3部1曲目。いづれも指揮:成瀬賢次。また手紙の文章にある「初演好演してくれた広島修道大学・・・」という1文がかなりプレッシャーになってました(^^ゞ。 私達も初演好演できるだろうか・・・と。 また、スコアを見るまで、曲名はわかりませんでした。 |
初演に使用したスコアのコピー
1980年8月31日に送られてきたスコアの表紙に、『CHACONNE for M.O.神戸大学マンドリンオーケストラの為に作曲 藤掛廣幸』 と書かれてあり、すぐバッハのギターでは最初の和音から難しいあの曲を連想し、ゴクっとのどがなった。 (神戸大学マンドリンクラブOB・OGのHPに投稿した文章より−1999年成瀬賢次記) 注・・・この曲が作曲されたとき曲名は「CHACONNE」。まだ「GRAND」がついていませんでした。その当時、私は藤掛先生が吹奏楽のために「シャコンヌ」という曲を作られた事実と、神戸大学の倉庫にあったチンチロリン合奏団の演奏会パンフより、石川透氏がその吹奏楽の曲をマンドリンに編曲して発表したことを知ってました。演奏は聞いたことがなかったので、この委嘱してできあがった新曲が、吹奏楽の「シャコンヌ」をマンドリン合奏へ書き直したものなのか、ちょっと混乱しました。そのことを藤掛先生に聞いてみました。(下へ続く) しかし、破れて貼ったセロテープの黄ばみが時代を感じさせますね(^^; |
1980年9月ごろ頂いた手紙
新曲依頼OKより2ヶ月でスコアをいただいたお礼と、吹奏楽の「シャコンヌ」との同名のことへの
質問に対する返事の手紙です。なお、その時同封でいただいた曲目解説です。
1981年に藤掛先生よりいただいた年賀状
曲名が「シャコンヌ」から「GRAND CHACONNE」へ
初演データー
1981年4月4日/浅草公会堂/神戸大学マンドリンクラブ/Spring Concert in Tokyo/
T部 | 指揮:成瀬賢次 | |
祈り(Preghiera) | U.Bottacchiari | |
シンプル・シンフォニー | 尾園勝善 | |
U部 | 指揮:杉山 雅 | |
田園写景 | S.Falbo | |
マンドリンオーケストラの為の“群炎”V | 熊谷賢一 | |
V部 | 指揮:成瀬賢次 | |
GRAND CHACONNE(初演) | 藤掛廣幸 | |
歴史的序曲(Ouverture Historique) | 帰山栄治 | |
表紙デザイン:銀羽 丘 コンミス:T・V岡田裕江/コンマス:U西 泰樹 |
マンドリン合奏曲参考資料1 1.グランド・シャコンヌ |
「GRAND CHACONNE」の初演の演奏は、大変光栄なことに、藤掛廣幸音楽事務所で販売しています、
マンドリン合奏曲参考CD1(現在14種類)に収録されています。
左写真:2007年12月新ジャケット、右写真1999年に私が購入した時のもの
そして20年
GRAND CHACONNEは神戸大学マンドリンクラブの委嘱により作曲されたもので、その素晴らしい名演奏により多くの人達に知られるようになりました。2001年で初演から20周年ですが「パストラルファンタジー」や「トレピックプレリュード」とともに多くの人達に愛されて何度も演奏されるようになったのは、神戸大学マンドリンクラブの委嘱のお蔭だと感謝しております。 この曲は最初に吹奏楽の為に「CHACONNE」として作曲し、アメリカでも何度か演奏されましたが、長さも「GRAND CHACONNE」の半分しかなく自分でも気に入らない所があったので、神戸大学マンドリンクラブから頼まれた機会に全面的に書き直して今のような形になったものです。 「GRAND」と付けたのは曲の長さも倍になり、よりダイナミックになったからです。 今度は、このマンドリン・オーケストラ・ヴァージョンの「GRAND CHACONNE」を基にして吹奏楽やシンフォニック・オーケストラ版を完成させたいと思っています。シャコンヌはバロック音楽時代に流行った音楽形式の一つで、8〜16小説のテーマが次々とヴァリエーション(変奏)されていくスタイルです。この曲も16小節の旋法的な響きのテーマが次々と変奏を繰り返して増殖して行き大きな全体像を形作っていきます。(作曲者記) |